ハッピーマッチの世界


1.マッチラベル展示
○自然 地球・風景・動物
 植物・魚介・鳥類・虫類
○人物 英雄・芝居・神仏
 七福神)美人 等
○文明の利器 道具・機械
 遊具・衣服・楽器 等
○乗物 飛行機・船舶
 自動車・自転車・鉄道 
 兵器 等
○架空動物 龍・麒麟 等
○文字と意匠 紋字・意匠
 標語・吉祥・世相
 約2000種類のマッチ
 パネルを順次交換展示中

2.マッチと生きた道具類
  マッチを便利に使うた
  めに考案された道具類
  携帯用具、応接セット
  保護ケース、戦時中の
  代用マッチ、灰皿など
  の実物と、マッチの広
  告などを解説付きで展
  示。
3.マッチ箱
  古い経木のマッチ箱を
  始め、徳用マッチ、戦
  意高揚スローガンが書
  かれたマッチなど、珍
  しい実物がご覧になれ
  ます。
4.戦時中の代用マッチ箱
  や慰問用タバコなども
  展示しております。
  今回の特別展示として
  赤紙(召集令状)の現
  物を展示中です。
5.ご存じですかタバコカ
  ード。明治のタバコ民
  営時代、タバコに封入
  されたカードや、アメ
  リカやイギリスのタバ
  コカードの展示。
 
展示物は定期的に交換します。

 生活の中に当たり前のように存在していたモノ。その一つ一つに目を
向けてみると、かつては、当たり前のように存在していたモノであって
も時代によって大きく様変わりをしていることに気付いたことはありま
せんか。
 いつの間にか台所から消えてしまった鋳物のガスコンロや、路地でサ
ンマを焼いた七輪など懐かしい道具など。それよりもかつては台所には
欠かせなかった徳用マッチの姿はまったくといってよいほど見かけなく
なってしまいました。タバコを吸う方も安価なライターの普及でマッチ
を持ち歩くこともなく、商店の広告マッチもどんどんその姿を消してい
るのです。

 今となっては、必要とする人が少なくなり自然に淘汰されてしまいそ
うなマッチですが、我が国の近代化に与えた影響は計り知れません。

 明治8年、金沢藩士清水誠が、留学先のフランスで身につけた知識で
国産マッチの試作に成功、翌年には国の援助も得て東京の本所柳原町に
マッチ製造会社「新燧社(しんすいしゃ)」を立ち上げたのが国産マッ
チの始まりです。
 それまで火を付けるために苦労していた人々の間に簡単に火を付ける
ことができる便利なマッチは万人に好まれ、多くのマッチを製造会社が
設立されました。そんな中、明治13年に設立した神戸の清燧社(せい
すいしゃ)を設立した瀧川辯三・儀作の努力によって、日本は東洋一の
マッチ大国に成長し我が国輸出品の花形商品に発展していくのでした。

 明治24年には輸出品の第8位と外貨獲得に寄与していたのです。今
に残るマッチラベルの中にも中国の吉祥図案やインドの神様の使いであ
る象など、往時を偲ばせてくれるラベルも多く残っているのです。

 マッチラベルは「燐票」と称され、大別すると、商品としてのマッチ
(本票)と広告としてのマッチ(広告票)の2種類に分類されます。今
回の展示では、明治初期より市販されていた本票を中心に展示し、同時
にマッチと、生活にかかわってきた懐かしい道具類やポスター、看板な
どを当時の世相を添えてご覧いただける企画です。

 燐票の収集家を愛燐家と呼びます。明治時代には愛燐家福山碧翠(ふ
くやまへきすい)らによって設立された「日本燐枝錦集会」という交換
会も開催され、この会だけもで多いときには約3000人が入会していた
との記録も残されているほど、切手や古銭と肩を並べるほどメジャーな
趣味だったのです。今回の展示では、燐票家が自らがデザインをした個
人票の数々もご覧いただけます。

 絶滅が危惧されるマッチを飾った、わずか4x6センチの小さなキャ
ンバスに描かれた森羅万象。和・漢・洋が折衷した摩訶不思議な意匠の
世界観、ぜひみなさんも先人達の叡智に思いを馳せてみませんか。

                 庶民文化研究家 三遊亭あほまろ



       画像は準備中 少々お待ちください。





   
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